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■ 2016年02月:KEY WORD 時間されど時間

 昨年もこの時期に箱根駅伝のことを書いたと思います。主に青山学院について話した記憶があります。今年も私は箱根のドラマに釘付けでした。印象的だったのが往路・復路ともトップで完全優勝した青学です。1区~10区までタスキを渡す選手全員が笑顔で、まだまだ余力を残した状態。倒れこむ選手は1人もいませんでした。走り終え、タスキを繋いだ後も疲れを見せないで、部員達と談笑している姿に「駅伝を楽しんでいる」と思いました。全区間を走る選手が自分の責任を全うしていました。青学の規則には罰則がありません。以前、遅刻は「丸刈り」でした。トイレ掃除等の役割は1年生~4年生まで学年混合の班を組んで行います。上級生・下級生が共に陸上の意識を高めて、自分で考えて行動します。縦の組織より横の組織です。

 ドラマは青学だけではありません。神奈川大学の9区から10区にタスキを繋ぐ時、私は思わず涙が出てきました。先頭の青学から20分経過すると繰り上げスタ-トになります。9区の選手が中継所に入って来て、10区の選手がタスキを繋げようと待っています。20分の時間が迫って、TVの画面には20分のカウントダウンが1秒ずつ少なくなって行きます。思わず「走れ・走れ・ガンバレ」と大声で、選手の後ろから背中を押してあげたい気持ちになりました。「あと4秒」届かず10区の選手を目前にして無情にも繰り上げスタ-トの合図が鳴りました。1時間6分55秒の間の4秒。我々には「たったの4秒」かも知れませんが、選手にとっては命を削る4秒でしょう。体力ギリギリの4秒と我々が大きなあくびをする4秒、同じ4秒ですが・・・時間とは無情なものです。背中を押してあげたいと思った私より、選手の親御さんは私以上の思いがあったと思います。

 箱根駅伝での時間は、10位と11位の学校にも無情な態度を取りました。10位と11位では天国と地獄です。10位までは来年の駅伝のシ-ド校として参加。しかし11位以後は苦しい予選を戦い抜かなければなりません。優勝校から10位校までは箱根駅伝に向けて戦略を立てられますが、他の学校は予選会(48校中10位以内)に勝ち抜かなければなりません。予選会と箱根は作戦も行路も違います。大舞台が2度もあります。だから10位と11位は天国と地獄なのです。10位の帝京大、11位の日大、天国と地獄を分けたのは1分29秒です。往復11時間15分~16分の中の1分29秒です。時間は無情です。スタ-ト時に1分29秒が分かっていれば対策もありますが、時間は経過の中で形を変え、10位の天国の道、11位の地獄の道に分けてしまいます。

 時間は魔物なのです。地球に住む人類、動植物に平等に時間は降り注ぎます。人によっては仕事に、自分のために、他人のために、国のために。或は何となく、無駄に。だから時間は魔物です。時間が魔物と言える理由はもう1つあります。無駄にした時間は2度と返ってこないということです。コマ-シャルで「いつやるか?今でしょう」というフレーズや「思い立ったら吉日」という言葉があります。私は毎年、箱根駅伝で、時間の無情さと、時間は魔物ということを感じています。

 広島カ-プの黒田博樹投手がコマ-シャルのインタビューで「天才はいますか?」との問いに「いないと思います。いて欲しくない」と答えています。彼は、上宮校→専大→広島カープ→ドジャース→ヤンキース→広島カ-プと活躍してきました。10歳からリトルリ-グで野球を始め、現在40歳まで、血の出る様な練習に他人の何倍もの時間を費やしたのでしょう。悔しい思いをした時間もどれだけあったことか。だから「天才はいない。いて欲しくない」と言ったのでしょう。

 授業も、職務も、経営も有効な時間をどれだけ費やしているかです。今、何をやるか?

空を見上げてください。時間が君の頭から降り注いでいます。2度と返らない時間が!(典)

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あきらめたらあかん/伊藤典男 著

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