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■ 2014年12月:KEY WORD

 私は、毎日過ごす中で、感心させられたり、プロだなぁと思ったりすることが多々あります。例えば、朝の連ドラでは、新人俳優さんをベテランが囲み、ドラマが2倍3倍の厚みをかもし出し、視聴者の心を引きつけます。俳優さんは役柄によって全く異なる味を出しています。役者魂を発揮します。体全体で役に成り切る器を持っているのでしょう。お笑い芸人も、笑いの引き出しの多い芸人は何時までも茶の間に顔を出しますが、器に引き出しの少ない芸人さんは消えていきます。

 私の好きな番組にNHK、BS「日本縦断こころ旅」があります。日野正平さんが全国を自転車で回ります。1つの都道府県を1週間かけて、視聴者から届いた手紙を元に、思い出の地を訪問する番組です。日野正平さんと言えば、遊び人で、女性にだらしない男優と思っていましたが、旅先で会う人々との会話が何とも味のある言葉になっています。女学生に近づき会話を引き出す。熟女に近づき会話を引き出す。若い娘さんに近づき・・・同じような場面であっても、方言を交えながら「ほのかな笑い」を誘います。以前の彼のイメ-ジと違い、会話の引き出しの多い事に驚かされます。必ず食事場面が放映されますが、言葉でなく体で味を表現しています。私は朝のショ-ト版を見て仕事に出かけますが、元気というより、安らぎを貰っています。日野正平さんのはまり役、器の引き出しの多さに感心させられます。

 皆さんも経験があると思いますが、道路工事で片側一方通行に差し掛かって、専門のガ-ドマンが、手旗で交互に車を誘導している時、上手なガ-ドマンなら本当にスム-ズに車が流れて何の怒りも覚えませんが、下手な人に当たれば「お前、何やってるんだ」と大声で言いたくなります。怒りは暫く続き、車の運転にも支障が出るかも知りません。交通整理に向いているか?否か?で周りの人に大きな影響があります。他にも、私達が人と接する場面で「何でこの人がこの職業を?あるいは、この人は天職だ!」と思ったことがあります。

 今まで話した事は、一瞬か、長くても数時間たてば頭の中から消えて行くものです。しかし、自分の職場や上司に場違いの人、技量の無い人がいたならば、話は違います。その役職にふさわしい仕事をしているか?今の地位で良いのか?部下に対してアドバイスできる器を持っているか?経営陣なら、経営に必要な知識、指導する能力、会社の未来を語るアイデアの箪笥を持っているか?その箪笥の中には引き出しが沢山あるか?外食をした時、食事を運んでくれた人に、「ありがとう」のお礼を言っているか?「ありがとう」は我が社の社員なら、器の中に入っていなければならない言葉です。其々の器は学力に関係ありません。しかし生まれ持ったDNAと環境は関係があると思います。蛙の子は蛙、経営者の背中を見て育てば金銭感覚は養われるでしょうし、公務員の家庭に育てばミスの無いように行動するでしょう。全てがそうではないかもしれませんが、多少、器の中に入る物も違ってくるでしょう。もし、今の自分が置かれている地位で、器に入る物が不足していると思うなら、補填すれば良いのです。

 第58代横綱千代の富士貢氏は、小さな巨人大きな横綱と言われています。81場所中807勝252敗優勝31回、昭和から平成にかけて53連勝を達成して、一時代を築きました。TVのインタビュ-で「私は横綱になって、横綱の名が私を作ってくれた。」と言っています。良い言葉です。身長183㎝・127㎏(現役時)相撲取りとしては、小兵でした。1日40本のタバコを吸っていましたが、昇進と同時に50万円もするダンヒルの金のライターを隅田川に投げ捨て、飴玉をなめて、稽古に邁進し、息が上がらなくなりました。脱臼に苦しみましたが、ウエイトトレ-ニングで克服し、大横綱になりました。

 本人が気付けば、器を大きくしようとする意識があれば、器は大きくなります。(典)

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あきらめたらあかん/伊藤典男 著

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