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■ 2014年10月:KEY WORD 正論バカ

 少し前の事です。私はある会社に招かれました。私の意見を聞きたいとの事でした。和やかに議題もこなし、最後の議題になりました。相手の会社の代表の方が、最初に私の意見を聞きたいと言われたので、私なりの考えを話し始めました。まだ、話が終わっていない途中で、その会社の幹部の方が、私のそれまで話した内容に対し、猛烈に反対論をしゃべり始めました。私は面食らいましたが、聞くだけ聞いて、その場を去りました。私は、以前から社員には、議論、特に反対の意見がある場合は、三段論法を必ず用いる様に言っています。1、まず同意する。2、同調して相手の内容を聞き出す。3、「しかし」で柔らかく反論をする。と教えました。しかしこの幹部の方は、私がまだ話の途中なのに、議論を遮り、反論を始めました。1も2も飛ばして3に突入しました。それも感情的になっていました。

 彼には多くの部下がいるでしょう。私に対しての態度そのままで部下と接していれば、部下からの提案はないでしょう。また社員会議で同じ態度ならば、楽しい会議ではなくなるでしょう。出席した社員がそれぞれの部署に戻った時「ああ、疲れた」と嫌な気分になるような会議は、やらない方がいいのです。会議とは出席した者が「なるほど」と納得できるものでなくてはなりません。幹部は、毎回会議に新しい資料、アイデアを提供するのが仕事で、何より社員の声を聞きだすのが大きな仕事です。

 上記の幹部が開催する会議は??と、私は想像しました。部下が提案しなくなっているのでは?それでは彼には部下から情報が入ってこないでしょう。我々の仕事はサ-ビス業の中でも、聞くことから始める仕事です。生徒が何を知りたいか?何をしてもらいたいか?最も重要な事は、生徒の目標、夢を聞き出し対処する事です。三者面談も相手の話を聞くことから始まります。もしも反対論なら三段論法を思い出してください。議論に勝って、利益を失わない様に。

 また、職員の中には、正論を表に出して、持論を貫こうとする人がいます。9月13日号、週刊現代に、「右を見ても左を見ても『正論バカ』が日本を滅ぼす」という記事が掲載されていました。副題として、「なんでも『シロ』『クロ』付けないと納得できない人が急増中」と書いてありました。正論で言い負かして、いい気分なっている「正論バカ」が私の周りにもいます。皆さんの周りにもいませんか?どこにでもいます。家庭にも。もしかして自分かも知れないと思う人もいるでしょう。記事の中に「会社が正論すぎて、働きたくなくなった」とか「声高に正論を叫ぶ人に対しては、ちょっとどうかと思っても、従った方が無難です」というものがありました。何を提案しても正論をぶち上げる人には、必ず発する言葉があります。「何かあったらお前ら責任とれるのか」です。心の中では責任をとりたくないと思っているのです。これは私の分析ですが、正論バカの多くは、小さい時から優等生で、友達からも、先生からも、一目置かれて育ち、ミスをしたくない、自分の評価を下げたくない、トラブルがおこる前に回避したい、と思っています。幹部に「正論バカ」が多くいるようでは、会社はつぶれます。私は正論を否定してはいません。自分に正論バカが入っていると気付いた人は、正論をぶち上げた後、相手の逃げ道を作って欲しいのです。はっきりした言葉で「俺の言った事は正論だが、君の意見にも一理ある。何かあれば必ずまた知らせて欲しい」とか「もう少し温めて、俺の意見も交えて再度提案してくれ」とか、次に繋がる言葉を示して欲しいのです。

 サ-ビス業は職種が広く、飲食店、商店、医院、それぞれにサ-ビス業魂があります。我々にも塾魂があります。その中には正論だけでは解決できない事柄が多くあります。幹部(上に立つ人)は「正論バカ」にならないでください。(典)

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あきらめたらあかん/伊藤典男 著

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