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■ 2013年02月:KEY WORD 3K

年も明けました。年々、一年が早く過ぎていきます。今年も猛Speedで一日がやってくるのでしょうね。私の友人が、時が過ぎるSpeedと年齢には一定の法則があると言っていました。1歳の子供は時速1Kmの速さで1年をゆっくり歩き、66歳の私は、時速66Kmの速さで1年を駆け抜けていくのです。説得力があり上手く言ったものだと思います。今年最初のOIRON通信ですが、今年で14年目に入っています。皆さんからの返信メールが私の筆を執らせています。今年も宜しくご指導ください。

私はよく新幹線を利用しますが、乗り降りの殆どが東京駅です。東京駅では、地方から来た列車が、約12分後には東京発の列車として出発します。12分間の内5分間が乗客の乗・降に使われますから、残りの7分間で車内の掃除が完了しなければなりません。時間との勝負ですが、その手際の良さには感服します。まず列車がホ-ムに入ると、掃除担当の女性達が一列に並び、降りるお客さんにお辞儀をして迎えます。そして乗客が降りた瞬間、一斉に車内に入ります。先頭の人は忘れ物のチェクをしながら座席を今までとは逆の進行方向に回転させ、大きなゴミを拾い、列車の反対側のドアまで進みます。次に掃除機を抱えた職員が小さなゴミを吸い取っていきます。その後を1人の女性が全部の窓のブラインドを下ろして点検し、同時にテ-ブルを出して拭きとり、次にヘッドカバ-をはずして新しいものに取り換えていきます。動きと時間にまったく無駄がありません。見ていても絵になっていて、劇場にいるような気分になります。私が感じていた内容が、ある週刊誌に「新幹線の7分劇場」で紹介されていました。スタッフの奮闘ぶりは「新幹線お掃除の天使たち」(遠藤功著・あさ出版)でご覧ください。掃除が終了したら整列して乗客に一礼する行為は息が合い、カ-テンコ-ルものです。キビキビした動きが礼儀正しくて、気持ちがいいと思ったのは私だけではなさそうです。プラットホ-ムの冬は寒く、夏は暑いので、待っているだけでイライラするものですが、掃除をする人たちの態度は不快感を吹き飛ばしてくれます。清掃会社の幹部の方は、新幹線の掃除は3K(危険・汚い・キツイ)を同じ3K(感謝・感激・感動)に変えたと言い切っていました。立派にお客さんに感謝・感激・感動を与えています。

私にこの3Kを与えてくださった方で、生きている間に是非一度逢いたいと思う方がいます。それは、毎日新聞のコラム「余禄」を書いている諏訪正人氏です。諏訪さんの前には古谷綱正氏が担当していました。古谷さんはTBSのキャスタ-をなされたので顔も声も知ることが出来、キャスタ-としてのコメントから人間性も知りましたが、諏訪さんはメディアに出ていません。余禄は800字ですが、文章の濃度が濃くて知識は広範囲です。自然科学から歴史・文学・芸能・スポ-ツと幅広く、季節感があり、大きな事件があれば、翌日には「余禄」に関連の事柄と一緒に掲載されています。諏訪さんのブログには「余禄」に対して「長年やっていて、自分がいかに物事を知らないかに気が付いた。だから毎日知らないことを調べて書くのが楽しい、書き続ける原動力になっている。コラムを書くのに一番苦労する事と言えば800字(16字×50行)だ」と書いてありました。文章の出来が良い時には、一日の終わりのお風呂の中で書いた文章は忘れているそうです。

日本には、西欧のどの国にも劣らない高い識字率がありました。東京のニコライ堂に名を残すロシア人司祭ニコライは、幕末にこう言っています。「街頭で娘が二人立ち止まって一冊の本を見ている。一人が今買った本を仲良しの友に自慢して見せている。しかしその本は手垢が付いたぼろぼろの本である。本屋の店頭には、まっさらな本は見当たらない、日本民族はいかに本を読むか。最も幼稚な本でさえ半分は漢字で書かれている。日本人の熱心に学び読もうとする意欲に心底驚かされた。」

3K(感謝・感激・感動)できる文章、語り口を持つことを、今年の目標にしたいと思います。(典)

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あきらめたらあかん/伊藤典男 著

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